名古屋電機工業株式会社(本社:愛知県あま市、代表取締役社長:服部高明、以下「当社」)は、道路情報板および道路監視カメラにカルコパイライト太陽電池を活用する実証実験を2025年12月より順次開始いたします。国内初となる本実証実験は、福岡県「ペロブスカイト太陽電池等実証事業補助金」の一事業として採択されたものであり、同補助金事業には当社を含む3社が選定されています。各社が公共空間における次世代エネルギー活用に挑戦する中、当社は道路設備に焦点を当て、社会インフラを支える現場での実証を担います。
本補助金事業は「ペロブスカイト太陽電池等」を対象としていますが、当社は同じく次世代薄膜太陽電池の一つであるカルコパイライトを採用します。カルコパイライトは、銅・インジウム・ガリウム・セレンなどを原料とする化合物半導体で、軽量かつ薄型で柔軟性に優れた次世代型の太陽電池です。これらの特性により、従来のシリコン系モジュールでは設置が難しかった曲面や荷重制限のある場所にも容易に適用でき、既設の設備に後付けで導入することも可能です。
さらに当社では、ペロブスカイト太陽電池とのタンデム(積層)化を見据えた技術検証を進めています。「ペロブスカイト×カルコパイライト」の積層型モジュールは、高効率かつ高耐久な発電を実現する可能性が高く、当社はその実用化を視野に、今回の実証を通じて基礎データの蓄積を進めてまいります。
本実証は福岡県内の3か所を対象に実施し、発電量や耐久性、実運用における効果を検証します。目的は単なる発電性能の評価にとどまらず、将来的な設備のオフグリッド化、すなわち外部電源に依存しない独立電源化を目指すことにあります。電源インフラが限定的な場所において、あるいは災害などで電力供給が途絶した際にも道路設備が稼働し続けることは、交通安全や地域の安心確保に直結する極めて重要な課題です。
本事業の成果は2026年3月までにとりまとめ、報告する予定です。また、本補助金事業の期間終了後も、当社は継続的な取り組みを視野に入れ、長期的な実用化に向けた開発と検証を進めてまいります。エネルギーの分散化や再生可能エネルギーの活用が社会的に一層求められる中、道路という生活に直結する現場で新しい技術を実装することは、災害対応力の向上、維持管理コストの低減、環境負荷の軽減に大きく貢献すると考えています。
名古屋電機工業は、道路情報提供システムをはじめとする技術を基盤に、道路交通安全を守る総合設備企業を目指しています。今回の実証実験は、その延長線上にある新たな挑戦であり、次世代エネルギーの活用を通じて地域社会の持続可能な未来づくりに貢献してまいります。
■報道機関の皆さまへ
福岡県と当社が以下の日程で現地説明を行います。取材を希望される方は福岡県のプレスリリース(URL:https://www.pref.fukuoka.lg.jp/press-release/karukopairaitojissho.html)に掲載の申込書よりお申し込みください。
・説明日時:2025年12月22日(月) 14時00分~15時00分
・説明場所:福岡県大牟田市四箇新町1丁目6付近
・現地説明会に関する問合せ先:福岡県 エネルギー政策室 092-643-3148
■本実証事業の実施場所:福岡県内の以下の3か所

①大牟田市 (道路情報板)

②みやこ町 (道路情報板)

③八女市 (道路監視カメラ)
■カルコパイライト太陽電池について

既存の太陽電池に比べ…
①軽量
②フレキシブル・高い柔軟性

将来的には…
2種類の異なる電池の種類を重ね合わせることで幅広い波長の光を吸収することができ、変換効率が向上
■体制図

経営戦略本部 経営企画室 広報担当
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