名古屋電機工業株式会社

名古屋電機工業株式会社(本社:愛知県あま市、代表取締役社長:服部高明、以下「当社」)は、多摩大学(東京都多摩市、学長:寺島実郎)と共同で2025年8月19日に、混在交通環境における電動キックボードの安全走行を促すための「視覚誘導表示技術」に関する実証実験を実施しました。

電動キックボードは都市部を中心に急速に普及していますが、電動キックボード利用者による交通ルールの理解不足や通行区分違反、歩道走行モードへの切り替え忘れなどが課題となっており、利便性と安全性の両立が求められています。

こうした課題に対し、当社と多摩大学は情報表示装置を活用した「任意標識」による視覚的誘導の可能性に着目しました。電動キックボード利用者の視線の動きを計測することで、どのような表示が注意を引き、走行ルールの遵守を促すかを検証する実証実験を行いました。

本実証実験は、科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発事業「科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研究開発プログラム」に採択された研究課題「混在交通の占有・優先度についてのELSIの実践的整理と対応方策の創出」(課題番号:JPMJRS24J2、研究期間:2024年10月~2028年3月)の一環として、実施されました。本研究は、電動キックボードを含む多様なモビリティが共存する交通環境において、技術的・心理的・社会的な観点から「道のあり方」を再考することを目的としています。今回の実証実験はその中でも、視線計測による表示の誘目性評価を通じて、利用者の行動の変化を促す表示技術の有効性を検証するフェーズとして位置づけられています。

今後は、今回の実証実験で得られた視線データや表示の誘目性に関する知見をもとに、より効果的な表示技術の設計と評価手法の確立を目指します。また、自治体や電動キックボードシェアリング事業者との連携によるフィールド実験の実施や、電動キックボード以外の新興モビリティ(自動運転車、配送ロボット、電動車椅子など)との共存を見据え、混在交通社会において誰もが安全な道路環境づくりに取り組んでいきます。

■ 参考リンク
JST RISTEX「混在交通の占有・優先度についてのELSIの実践的整理と対応方策の創出」
https://www.jst.go.jp/ristex/rinca/projects/jpmjrs24j2.html

本件に関するお問い合わせ先
名古屋電機工業株式会社
経営戦略本部 経営企画室 広報担当

TEL 052-756-2155 FAX 052-443-2288

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