名古屋電機工業株式会社

道路通行止装置第1号機 (1971)

道路上で災害が発生した際に、通行止にするための機器をどのように設置すればよいか―。このユーザーから要請で、通行止装置の開発が始まりました。

それも、ただ通行止の柵を用意するのではなく、もしも車が装置にぶつかることがあっても車や人に被害がないように、という条件付。

そこでまず思い浮かんだのが踏切の遮断機でした。しかし道路の通行止は電車の通過に比べればそれほど多いものではありません。遮断棒を雨ざらしにしておくのも装置の劣化を早めるから、いつもは装置を格納しておく必要があるだろう、など話し合い、開発に入りました。まず、確実に、そして安全に車を停められる遮断棒の高さ、材質を検討し、地上90cmのところにプラスチック板の遮断棒を渡すことに決定。そして衝突実験のために、ナンバープレートのない廃車を調達し、実験を繰り返しました。

しかしプラスチックの遮断棒は、衝突実験のたびに壊れてしまって、車や人に危害を加えないようにという条件には合致したのですが、実験のデーターを集めることが難しかったので、プラスチックに代わってアルミで作ることになりました。衝突したら壊れる代わりに、スプリングの力を使って車への衝撃を緩和します。

しかしいざ実験をしてみると、遮断棒が衝突した後に勢いよく戻りすぎて、ポンコツの廃車がますますポンコツになりました。これでは危ないので、スプリングではなく油圧を利用することに。さらに、遮断棒をおろしたときに、風でふらふらしてしまうので、遮断棒を留め金で固定することになりました。もし車がぶつかっても、すぐに留め金が折れて遮断棒が動きます。

この通行止装置は昭和46年(1971年)に国道41号の七宗村上麻生に設置され、以降、改良を重ねて全国の危険個所に設置されるようになりました。

当社の最新の道路通行止システムは、こちらからご覧ください。

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